葬儀は家族葬など小規模化が進んでいるとはいえ、依然として大きな費用がかかる場面が少なくありません。そのため、少しでも負担を軽減したいと考える方も多いのではないでしょうか。本記事では、国民健康保険や健康保険による給付金をはじめ、自治体による支援制度について、受給条件や手続きのポイントをわかりやすく紹介します。
給付金には葬祭費を含めさまざまな種類がある
葬儀時に受け取れる給付金は、故人が加入していた保険の種類によって異なります。国民健康保険か健康保険かを確認することが重要です。主な給付金には、国民健康保険の葬祭費と、健康保険の埋葬料または埋葬費があり、それぞれ対象となる費用や手続き先が異なります。葬儀に関わる給付金について、種類別にみていきましょう。
葬祭費
国民健康保険加入者が亡くなった場合、自治体の窓口で申請することで葬祭費が支給されます。
支給額は自治体ごとに異なりますが、一般的に1万円〜7万円程度です。申請には保険証や喪主の印鑑などが必要で、申請期限は葬儀翌日から2年以内となっています。
埋葬料
会社員などが加入する健康保険では埋葬料または埋葬費が支給されます。これは葬儀全体ではなく、火葬費用や霊柩車、僧侶への謝礼など埋葬に関する費用を補助する制度です。申請は自治体ではなく、加入している健康保険組合へ行い、支給上限は5万円と定められています。
埋葬費
埋葬料は、生計をともにしていた家族が対象ですが、該当者がいない場合には葬儀を行った人に対して埋葬費が支給されます。
支給対象となる費用や上限額は埋葬料と同様で、健康保険組合への申請が必要です。葬儀の際に受け取れる給付金の制度を理解しておくことで、葬儀費用の負担軽減につながります。
葬儀費用の給付金を申請する方法
葬祭費を市役所や町役場で申請する際は、必要書類をそろえたうえで国民健康保険の窓口にて手続きを行います。申請期限を過ぎると給付を受けられなくなるため注意が必要です。また、ほかの保険が優先される場合は支給対象外となる可能性もあるため、事前に条件を確認しておくことが大切です。
申請前に必要な手続き
保険加入者が亡くなった場合は、加入していた保険の資格喪失の手続きが必要です。
とくに国民健康保険では、死亡後14日以内に届出を行う必要があります。葬祭費の申請前に忘れず対応することが重要です。
申請時に用意する書類
申請は主に遺族が行い、国民健康保険証、本人確認書類、喪主が確認できる書類、振込先口座、領収書、印鑑などが必要となります。ただし、必要書類は自治体によって異なるため、事前確認が欠かせません。
申請期間と注意点
葬祭費の申請期限は、葬儀翌日から2年以内です。期限を過ぎると申請できなくなります。また、
保険の切り替え時期によっては健康保険側から給付されるケースもあるため、条件の確認が必要です。
申請は別途手続きが必要
死亡届を提出しただけでは葬祭費は支給されず、別途申請が必要です。また、葬儀を行っていない場合は対象外となることもあるため、支給条件についても事前に確認しておきましょう。
葬儀にかかる費用を抑えるコツ
近年では、経済的な負担を軽減するために、葬儀の規模や内容を見直す方が増えています。
葬祭費などの給付金の受け取りはできますが、支給は葬儀後であり、基本的には実費の一部補填にとどまります。そのため、事前に葬儀費用そのものを抑える工夫をしておくことが重要です。以下では葬儀形式や内容について、費用を抑えるポイントを説明します。
小規模な葬儀形式を選ぶ
従来の一般葬に比べ、家族葬などの小規模な葬儀の選択により、費用を抑え負担軽減が可能です。実際に、調査では家族葬が増加傾向にあると回答した葬儀業者が半数以上にのぼり、葬儀1件あたりの売上が減少しているとする声も多く見られます。これは、葬儀の規模縮小により全体の費用が下がっている状況を示しており、費用面を重視する場合には有効な選択肢といえます。
オプションを見直して無駄を省く
葬儀社では、棺や骨壺のグレードアップ、豪華な装飾、返礼品の高級化など、さまざまなオプションが用意されています。これらは葬儀をより華やかにする一方で、費用を大きく押し上げる要因にもなります。ただし、これらのオプションは必ずしも必要なものではありません。
内容をしっかり見極め、本当に必要なものだけを選ぶことで、無駄な出費を抑えられます。
事前の検討が負担軽減につながる
葬儀費用を抑えるためには、形式や内容を事前に検討しておくことが大切です。規模の見直しやオプションの取捨選択を行うことで、無理のない範囲で納得のいく葬儀を実現し、経済的な負担の軽減につながります。
まとめ
葬儀費用は決して小さな負担ではありませんが、公的な給付制度を正しく理解し活用することで、負担軽減が可能です。葬祭費や埋葬料・埋葬費は、加入している保険によって内容や手続きが異なるため、事前に確認しておくことが重要です。また、申請期限や必要書類を把握し、確実に手続きを行うことも欠かせません。さらに、葬儀の形式やオプションの見直しにより、費用そのものを抑える工夫もできます。制度の活用と事前の備えを組み合わせることで、無理のないかたちで大切な方をお見送りできます。